
院長:村上お気軽にご相談ください!

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子どもが何を言っても「イヤ!」。着替えも「イヤ!」、帰るのも「イヤ!」。
毎日のように泣いたり怒ったり、床に寝転んだりする姿を見ていると、こちらもさすがに疲れてきますよね。
「どうして素直に聞いてくれないんだろう」「わざとやってるのかな」と感じて、つい口調が強くなってしまう。そんな経験、多くの親御さんにあるのではないでしょうか。
でも、イヤイヤ期の「イヤ!」は、親を困らせたくて出てくる言葉ではありません。
子どもの中に生まれたいろいろな気持ちを、まだ言葉でうまく表現できないせいで、結局「イヤ!」の一言に落ち着いてしまう。そういうことが多いんです。
見方を少し変えてみると、困った行動に見えていたものが、実は子どもの成長のサインだったと気づくことがあります。


イヤイヤ期は、だいたい1歳半頃から3歳頃に見られることが多い時期です。もちろん、始まる時期や強さ、続く期間は子どもによってかなり差があります。
この頃の子どもの心の中では、こんな気持ちが育ち始めています。
ところが、言葉や感情を整理する力がまだ十分に育っていないので、「どうして嫌なのか」「本当は何がしたいのか」を説明しきれません。
結果、いろんな気持ちがひとまとめに「イヤ!」になって出てくるわけです。
つまりイヤイヤ期は、わがままが強くなった時期ではなく、自分の意思が育ってきたのに、それを伝える手段がまだ足りていない時期だと言えます。


行動だけを見ていると、「泣く」「怒る」「言うことを聞かない」としか思えません。
ただ、その奥にある気持ちを想像してみると、子どもの見え方は少し変わってきます。
泣いたり怒ったり、床に寝転んだりすると、「また困らせてる」と思ってしまいがちです。
でも実際は、子ども自身も自分の気持ちをどう扱えばいいのか分からず困っているケースがほとんどです。
やりたいことができない、思っていたことと違う、気持ちを分かってもらえない。そんなとき、感情を整理する力がまだ十分でない子どもは、泣くか怒るかしか選択肢がないんです。
「私を困らせようとしている」ではなく「この子も今、困っているんだな」と考えてみると、少し落ち着いて向き合えることがあります。
「イヤ!」と言えるようになったのは、「自分」という感覚が育ってきた証でもあります。
それまでは周りにしてもらうことをそのまま受け入れていた子が、「私はこうしたい」「これは違う」と感じられるようになってきた、ということです。
反抗というより、自立へ向かう最初の一歩と捉えることもできます。
もちろん、子どもの希望を毎回全部通す必要はありません。
ただ「自分で考える心が育ってきたんだな」と受け止めるだけで、イヤイヤの印象はずいぶん変わります。
保育園や外出先では落ち着いているのに、家に帰った途端に泣いたり怒ったりする子もいます。
「どうして私にだけこんな態度なの」と思ってしまいますよね。
でも、子どもは安心できる相手だからこそ、我慢していた気持ちや本音を出すことがあります。
イヤイヤを見せるのは、ママやパパが嫌だからではありません。
「この人なら受け止めてもらえる」という信頼があるからこそ、感情を外に出せている、とも言えるんです。
イヤイヤ期の真っただ中だと、この状態がずっと続くように感じてしまうかもしれません。
でも、子どもは少しずつ言葉を覚え、感情を整理し、気持ちを別の方法で伝えられるようになっていきます。
「イヤ!」しか言えなかった子が、やがて「もう少し遊びたかった」「自分でやりたかった」と説明できるようになる。
今は大変でも、あとで振り返ると、その姿が懐かしく、愛おしく感じられることも多いものです。
イヤイヤ期はずっと続くものではなく、成長の途中にある期間限定の姿なんですね。


イヤイヤ期の言葉をそのまま受け取ると、こちらも苦しくなってしまいます。
そんなときは、言葉の奥にある気持ちを心の中で翻訳してみてください。
| 子どもの言葉・行動 | 心の中の気持ち |
|---|---|
| 「イヤ!」 | 自分の気持ちがあるよ |
| 「自分で!」 | できる自分になりたいよ |
| 「もう一回!」 | 納得するまでやってみたいよ |
| 大泣きする | 気持ちが大きすぎて抱えきれないよ |
| 床に寝転ぶ | どうすればよいのか分からないよ |
例えば「自分で!」と言って時間がかかっているとき、「早くして」と言いたくなりますよね。
そんなとき「今、できる自分になろうとしているんだな」と心の中で翻訳してみると、少し見守る余裕が生まれることがあります。
もちろん、子どもの要求を全部受け入れる必要はありません。
まず気持ちを言葉にしてあげたうえで、必要なルールを伝えることが大切です。
例えば、「まだ遊びたかったんだね。でも今日はもう帰る時間だよ」「自分で靴を履きたいんだね。少しだけ一緒にやってみようか」というふうに。
気持ちを認めることと、何でも許すことは、実は別の話なんです。
イヤイヤが始まったら、すぐに言い聞かせようとするより、まず子どもの興奮が落ち着くのを待つことが大切です。
感情が大きく揺れている最中は、大人の説明が耳に入りにくいからです。
「赤と青、どっちを着る?」「自分で歩く?抱っこで行く?」など、小さな選択肢を示すと、「自分で決めたい」という気持ちが満たされやすくなります。
ただ、疲れている、眠たい、お腹が空いている、刺激が多すぎる、そういう状態のときは、いつも以上に感情が崩れやすくなります。
イヤイヤが強いときは、しつけの問題だけと決めつけず、睡眠や食事、生活リズムも一度見直してみましょう。


子どものイヤイヤに毎日向き合っていると、いつも穏やかでいるのは難しいですよね。
イライラしたり、強く言ってしまったり、「もっと優しくしたかった」と後で後悔することもあると思います。
でも、怒らない完璧なママを目指さなくても大丈夫です。
大切なのは、感情的になったあとに、もう一度子どもとつながり直すこと。
「さっきはママも怒りすぎたね」「本当は自分でやりたかったんだね」。そう伝え直すことも、親子にとって大切な経験になります。
子どもだけでなく、親御さんも子育ての途中にいます。
「どうして分かってくれないの」と考える代わりに、「この子も今、困っているんだな」と思い出すだけで、見える景色は変わってくるものです。
完璧を目指さなくていい。できる日に、できる関わりを積み重ねていきましょう。


イヤイヤ期の様子には、言葉や心の発達だけでなく、睡眠、身体の緊張、感覚の受け取り方、生活環境なども関わっている場合があります。
当院では、お子さまの身体や発達の状態を確認しながら、親御さんのお悩みにも丁寧に耳を傾けています。
ご家庭で取り入れられる遊びや関わり方など、お子さま一人ひとりのペースに合わせたサポートをご提案しています。
イヤイヤ期は、子どもがわがままになった時期ではありません。
「自分で決めたい」「自分でやってみたい」という心が育つ一方で、その気持ちをまだうまく伝えられない時期。それだけのことなんです。
「困らせる子」ではなく「困っている子」、「反抗」ではなく「自立の始まり」。そう見てみると、子どもの行動の意味が少しずつ理解しやすくなります。
見方を変えると、困っていた姿の中にも、成長している子どもの可愛さが見えてきます。
子育ての悩みや不安は、一人で抱え込まなくても大丈夫です。お子さまの発達やイヤイヤ期への関わり方について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。